「日本語教育の参照枠」を全身に染み込ませるために
在留資格「留学」の外国人に日本語を教える日本語教育機関は2029年3月31日までに「認定日本語教育機関」として文部科学省の認可を取得することが義務付けれらる「認定日本語教育機関制度」が2024年4月1日より施行されました。年に2回の申請で現在第2回までの審査が終わっているところですが、既存の870校超ある法務省告示機関の日本語学校のうち、許可が下りているのは11校にとどまっています。
これまでの日本語学校の法務省告示の目的は、[在留資格「留学」を有する外国人の受入れ機関の告示]であり(なんとシンプル)、文部科学大臣による今後の認可目的は[日本語が通じない外国人が我が国において生活するために必要な日本語を理解し、使用する能力を習得させるための教育]です。
この軸となるのが2021年の文化庁/文化審議会国語分科会による「日本語教育の参照枠」報告です。私自身何十回もこの報告を読み、この内容での教育実践を本校に落とし込んで行うにはどのうようにしていこうか、教務主任ともかれこれ1年半どうしたらいいものか頭を悩ませている状況でした。そんな折、昔勤務していた横浜の地で正に欲していた内容での研修会があるのを知り、これは!と行って参りました。
講師の奥村先生は70名近くいる出席者を見事に、「日本語教育の参照枠」の神髄に触れる場所に案内してくださったと言えます。「日本語学習者を社会的存在と捉える」のがどんな意味なのか/Can doの一覧は勉強すべき必須文型の一覧ではない/「参照枠」は「参照」である/自分のto doをCan doにする感覚から始める。。。など、グループワークショップを行いつつ会は進み、同じ悩みを持つ教師たちでのぶっちゃけトークや挑戦授業の成功例、更に志を共にする覚悟なども語れ、心新たに山積み書類に取り組もうと気構えができたとても良い研修会でした。そして奥村先生の「この内容を各校に持ち帰り広めてください」という言葉を心にしかととどめました。